2012年5月10日木曜日

ブログテーマ[自己免疫疾患]|アレルギー


[多形(滲出性)紅斑、スティーブンス・ジョンソン症候群]

(gooヘルスケア)

<どんな病気か>
多形(滲出性)紅斑は、親指の頭くらいの円形の紅斑が多発する皮膚病で、
大きく2つのタイプに分けられます。

第1は、春から夏にかけて若い女性に多くみられ、発熱などの全身的な症状は
ほとんどなく、手の甲から肘にかけてと足の甲から膝にかけて紅斑が生じる
タイプです。
かゆみはあるものの軽症です。

第2は、紅斑が全身の皮膚の広い範囲に生じるやや重症のタイプです。
発熱や口腔粘膜の症状を伴う場合もあり、スティーブンス・ジョンソン
症候群や中毒性表皮壊死融解症(TEN)といった生命を脅かす最も重症な
タイプとの区別が重要です。


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<原因は何か>
紅斑が四肢に限られる軽症型では、感染アレルギーが考えられています。
単純ヘルペスウイルスとの関連が明らかなケースもあります。

全身に紅斑が多発するタイプや最重症型のスティーブンス・ジョンソン
症候群、中毒性表皮壊死融解症では薬剤が原因のことが多いのですが、
肺炎マイコプラズマが原因と考えられる症例や、原因がわからない症例も
あります。

<症状の現れ方>
円形の紅斑は二重の輪郭を示し、辺縁が少し盛り上がり、中央がくぼんだ
標的の形をしたものや、平らなもの、紅斑の上に水疱やびらんを伴うもの
などがあります。


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スティーブンス・ジョンソン症候群では、発熱とともに多形紅斑様の発疹が
現れ、水疱・びらんを伴います。
眼、口、陰部などの粘膜にも高度のびらんがみられます。
皮膚のびらんが体表面積の30%を超えると中毒性表皮壊死融解症と呼ばれ
ます。

<検査と診断>
重症型の多形紅斑やスティーブンス・ジョンソン症候群が疑われる場合は、
緊急に皮膚生検(皮膚を数mm切り取って調べる病理組織検査)を行い、
診断を確定する必要があります。
麻疹や水痘などのウイルス感染症との区別が難しい場合にも、病理検査が
役立ちます。

<治療の方法>
多形紅斑では、薬剤が原因であれば疑わしい薬剤を中止するだけで快方に
向かいます。


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病理検査の結果、スティーブンス・ジョンソン症候群の早期であれば、
十分量の副腎皮質ステロイド薬の点滴注射が行われます。

すでに広範囲の皮膚がびらんの状態であれば、重症のやけどに準じた治療に
なります。

死亡率はスティーブンス・ジョンソン症候群で6.3%、中毒性表皮壊死融解症
では21.6%に達します。
失明を含む眼の後遺症を残すことがあり、重大です。

<病気に気づいたらどうする>
紅斑が四肢だけで、発熱や粘膜症状がなければ、近くの皮膚科専門医を受診
してください。

紅斑が広範囲に多発し、水疱やびらんのある場合や、発熱や眼の充血、唇・
口のなか・陰部のびらんを伴う場合は重症と考えられるので、すみやかに
入院可能な総合病院の皮膚科を受診してください。

(執筆者:末木博彦)



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