境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害:BPD)は、1980年代まで精神病と神経症の『中間領域』にある精神疾患と仮定されており、『境界例(ボーダーライン)』と呼ばれていました。境界性人格障害(Borderline Personality Disorder:BPD)は、アメリカ精神医学会のDSM−W−TRで『クラスターB(B群)』に分類される人格障害(パーソナリティ障害)であり、『衝動性・攻撃性』や『気分(感情)の不安定さ・対人関係のトラブルの多さ』などに大きな特徴があります。
境界性パーソナリティ障害では、『自己アイデンティティ』が拡散して自分の存在意義や生きがいを見失いやすく、そういった虚無感や虚しさの感覚によって対人関係(異性関係)やギャンブル、ドラッグ(アルコール含む)、食事(摂食障害)などに過度に依存してのめり込みやすくなるという問題があります。境界性人格障害の特徴を持っている人は、気分の波が激しく感情が極めて不安定なので、さっきまで理想化して褒めていたような人に対しても、何か自分に否定的な発言などがあると急に怒り出して、攻撃的な罵倒が止まらないほどに興奮してしまうこともあります。
境界性パーソナリティ障害(BPD)の人は、自己愛・依存心・気分・感情を適切に自己コントロールすることができないので、『対人関係のトラブル』や『自滅的・衝動的な行動(自傷行為・依存症)』が起こりやすくなるのですが、BPDの根底にある感情的問題は『見捨てられ不安・自己肯定感の欠如・孤独耐性の低さ』などです。家族や知人と付き合っていると、どうしても批判的・攻撃的になって対人トラブルが絶えないのですが、BPDの特徴を持つ人は見捨てられ不安や空虚感(人生の無意味感)が非常に強いので、『一人で過ごす時間(誰とも関わらずに過ごす時間)』の孤独感になかなか耐えることができないのです。
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